「エビデンス」を求めるのが好きな世の中 / '20.02.06

DSC03220 2のコピー

最近ようやく冬らしい寒い日が続きます。この時期大学は、一般授業が終了し、少し時間余裕ができると思われがちですが、そうではありません。

所属する大学が芸術系なので、卒展の準備に追われる日々です。といっても今年から別の学部に変わったので、受け持ちは3年のみ。従って、来年から4年生を受け持つことになるので、今は見習い状態、といったところ。

とはいえ、昨年は怒濤の時期でした。4年生の卒論と卒展を指導しつつ、100名近い学生のいる学部の卒展委員長をやったものだから、まるで10年分の仕事を数ヶ月でしたようなものです。組織とは何か。人を動かすとはどういうことか。動く人と動かない人との境目が手に取るようにわかりました。

今は、複数の創作作業を並行してこなしています。まずは、今年春に出版する『音デザイン』の一般向け事例集。軽く終わらせようと思ったら、200ページを超えてしまいました。ちょうど初校を終えたところです。

続いて、幼稚園向けの環境音楽の制作も進めています。ぼくが依頼されるパタンは、過去の楽曲を聞いた方からが多く、今回もその流れ。幼児の頃の気持ちはもう忘れてしまったけど、実際に現場へ足を運んで、園児たちとワイワイ戯れながら、曲の構想を練っています。いまはちょうど峠を越えたところ。

あとは、某放送局との共同研究で、こちらも環境音楽の効用を、とある公共空間を対象に大規模な意識調査を行いつつ、まとめているところです。

それにしても、世の中はあいかわらず「エビデンス」を求めるのが好きですね。音楽なんて人それぞれの捉え方なのに、数値で評定すると、それらしく見えてくるから、ちょっと怖いものです。