ご存じのとおり、
ピアノの形式には2種類があって、
一つはグランド、もう一つはアップライト。
音のよさと演奏のしやすさからいえば、
言うまでもなく「グランドピアノ」が勝っています。
グランドピアノはハンマーが重力に応じて、
自然に落下したり反動する構造を取っています。
アップライトピアノは垂直に配されたハンマーが、
前後に動いて弦を叩いているので、
反応が悪く、かつ弦も短いために、音色が貧祖…。
グランドに比べてクオリティに劣る部分が多くあります。
でも、アップライトは性能に制限があるゆえに、
独特のいぶし銀的な奥ゆかしさがあります。
ハンマーが動くことで発生する作動ノイズ。
整備されていないピアノからは、
ダンパーペダルのキコキコした異音が出て、
演奏者の息づかいが感じられる楽器があります。
学校時代のときにあった、
音楽室の後ろにあったオンボロピアノの音色が、
そんな雰囲気を醸し出していますね。
バリバリにチューニングされた、
フルコンピアノは申し分のない音色を奏でますが、
それだけではない音の面持ちが、
アップライトにはあるような気がします。
背景に環境音を入れるような音作品には、
アップライトだからこそ展開する風景を
表現することができそうな気がします。
いろいろ模索してみるのも面白そう!