コロナ禍の状況は日に日に変化する。 / '21.01.11

日本建築協会発行『建築と社会』2021年1月号に寄稿した「コロナ禍で気づく音のデザイン」も、書いたときは昨年の7月頃。緊急事態宣言が発令された直後に交通騒音や街の音が減少し、静けさが増したのが目新しかった。

最近では感染者数が増加しているが、自粛の緊張感は音からは感じられない。街の音はコロナ前とさして変わらないのである。京都市内では、外国人観光客の喋る声やキャリーケースの音がなくなったくらいの変化だ。

テレワークが社会に浸透し、ビデオ会議も当たり前になった。通信環境から届く音の質はあいかわらずひどいけれど慣れてきた。マスク越しの声の聞き取りにもずいぶん対応している。

ぼくの90分授業では45分が過ぎると、5分程度の「換気タイム」になる。空気感染を抑えられるし、飽き対策に効果があるし、トイレ休憩になるし、外の音を聴く耳トレ!タイムにもなる。一石四鳥かな。対面授業のありがたさを教員も学生も感じている。決して悪いことばかりではない。

安全を最大限確保しながら、ライフスタイルを変える知恵が磨かれることを願う。