テレビ朝日『奇跡の地球物語』出演裏話 / '13.10.09

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今週末に放映されるテレビ朝日系『奇跡の地球物語』。ロケ話の続きです。

京の音はいろいろありますが、その魅力を生み出している最大要素は「静寂」だと私は思います。音環境デザインの方向性として「マイナス(音を削る)」「ハコ(空間音響)」「プラス(音を付加)」の3つがあると常々提唱しているのですが、最も大切なことは、その場所に「余計な音がない」こと。その環境が、京都には多いわけです。

番組内で冒頭に紹介する「京都大原・勝林院」は、その確固たる場所。足を踏み入れた途端に、独特の静寂が身を包みます。私はその感覚を直感で感じたのですが、その原因は、庭のとある要素。詳しくはネタバレしてしまうので、残念ながら伏せさせてもらいますが、ソレがあるのとないのとでは音環境が大きく違ってくる。ヒントを言えば、ソレのお陰で、周囲に広がる音エネルギーが熱エネルギーに変換されやすくなるわけです。

そこで、本邦初の簡易的な音響実験を、庭園の現場で行いました。実験室での正確さには負けますが、騒音計を使って10デシベルほどの音の違いがあることが分かりました。その続きは、番組内でお伝えします。こうした知恵は、京都の庭だけでなく、身近な生活空間でも十分に応用できます。先人たちの「音の知恵」は素晴らしいものがありますね。

■放映:2013年10月13日(日)18:30からテレビ朝日系の全国ネット