マスタリングについて / '19.03.13

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聞き慣れない言葉ですが、CDアルバムなどをつくるときに、「最後の調整」をする段階のことを言います。音楽に化粧を施す、とでも言えばいいでしょうか。

ふつうはこの作業、専門エンジニアに頼むのですが、ぼくの場合は自分で最後まで手がけることにしています。理由としては、「自分の理想の音」をつくるため。外注する人がほとんどなので、最後までやるミュージシャンはまだまだ少ないのが現状です。

とはいえこの分野、最近は人工知能が台頭してきて、人のやっている調整作業をかなりのクオリティでAIがやってのけます。人間の主観は振れ幅が出やすいけれど、むしろAIマスタリングをやった方が、意外な安定感が出ます。

ぼくもプレマスタリングにはAIを効果的に使い、最後の仕上げの段階であるポストマスタングで、手動による調整を自分で手がけています。この作業は究めれば極めるほど、終わりのないものです。

目指すは「存在感ある音圧」と「音空間の透明感ある広がり」です。この2要素、実は相反するものです。両方どちらも美味しく両立することは難しいのですが、どうにか2つの要素を引き立たせるべく、悪戦苦闘中。

久しぶりの生ピアノマスタリングで、燃えに萌えまくるこの頃。こういうことをやってると「自分耳トレ!」が深化するような気がします。しんどくて面白い、不思議な作業ですね。仕事だけれども究極のシュミのようでもあります。