心のリミッターを外せ / '18.10.22

心には無意識に外的刺激を制御する「リミッター」なるものが存在する。リミッターがないと、外部からくる情報が際限なく脳に取り込まれ、収拾がつかなくなってしまうからだ。

それは、日々の仕事にもあてはまる。過度すぎる仕事量が降りかかってくれば、自ずと制限するだろう。気の弱い人は断り切れなくて、結果自分の能力以上の仕事を処理せざるを得なくて、時に健康を害してしまう。

かくいう私も、自分の体のことを考えて、負担のない仕事量を選んで、40代の半ばまでやってきた。45を超えると、厖大な量の仕事が押し寄せてきている。かといって、断るという判断をする前に、次々と仕事がやってくるので、目の前の仕事を処理し続ける、という流れになってきた。

ふつうなら、仕事量を抑えるような判断をするのだろうけれど、ぼくは今のところそうしていない。自分の身体をいわば実験台と見立てて、限界を超える仕事をしたらどうなるんだろう、という行動を取ってみた。

結論から言うと、心のリミッターを外すことで見えてくる景色が違ってきた、ということ。自分の思う限界を超えたと思う量の仕事をこなしていると、今まで限界だったと思っていた判断基準が低かった、ということが痛切に分かってきたのだ。

おまけに人は慣れてくる。このモードを保っていると、まるでスーパーカーに乗っているような手応えすら感じる、という日々。判断力は早くならざるを得ないし、瞬時に仕事を片づけていくモードになるし、一石二鳥である。

集中的に仕事をやって、一日の生活のなかでは必ず「オフ」する時間を取っている。食事の語らい、入浴、通勤途中の散歩、読書、寝る前のヨガ、そして睡眠。そのメリハリの中で感じることは多い。

心のリミッターを外すと、見えてくる世界が変わるから、面白い!