環境音楽の未来は? / '13.12.05

ぼくは環境音楽制作をライフワークにしている。
これまで手がけてきたおもな場所は、
京都タワー展望室、京都国際マンガミュージアム、
京エコロジーセンター、など…。

本日現場を見学に来られた研究者と話をしていて、
「ハタ」と思ったことがあった。
それは、ぼくが手がけてきた場所の多くが、
よいイメージをもたらせる
シチュエーションが特別にあったのではないか、と。
つまり、京都、展望、よき風景…のような、
「ある程度のプラスの雰囲気」が、
現場空間には存在していたのだ。

その反面、マイナスの印象を感じる場所に対して、
その不快感を減らしたり、
場に調和する環境音楽を生み出すことは、
かなり難易度の高い仕事になりそうだ。

その研究者は実際に一般的な公共空間に対し、
場を和ませたり盛り上げたりするような、
音楽提供を実践し、苦労しているという。

プラスをさらにプラスにもっていくには、
経験を重ねるに従って難易度が低くなる。
それに対し、マイナスからゼロ、
あるいは少しプラスにする音楽制作は、
想像以上に難しい。

これから大切になるのは、
マイナス空間をゼロやプラスに改良する仕事だと思う。
自然に調和する音環境に近い普遍的な音楽制作や、
その再生環境を創造していくことが、
これからの音環境を磨いていくための、
必須なプロセスになるだろう