貴重な唐臼の音風景。 / '14.03.25

20140325京都精華大人文学の同僚、田村有香さんのお誘いで、京北町に音のフィールドワークを3月中旬に行ってきました。京北町へ調査に行くのはこれで2度目ですが、最初現地に出向いたときに「珍しい生活音」の出る器具を見てみたいとリクエストしていて、候補に挙がったのが「唐臼」。
唐臼(からうす)とは、穀類を突くための仕掛けで、てこの原理を使って効果的に精米したり、お餅をついたりするためのシーソーのようなカタチをしています。最近ではめっきり姿が見られなくなって、作業音を聴くことも少なくなりました。最初は数人で試しに使う程度の予定でしたが、当日は近くの子どもや大人が30人以上も集まって、餅つき大会が盛大に行われたのでした。
子どもたちは初めての体験で恐る恐るでしたが、さすがはベテランの地元の方。餅突く音はリズミカルに、かつ重低音が響き渡りました。合いの手を入れる餅つき返しの合図と相まって、まわりの参加者たちの歓声もそこに加わって、なんとも普遍的な音風景を堪能することができました。とてもお世話になり、ありがとうございました。

写真は同僚の是澤範三さんが撮影した、唐臼の餅つき作業風景。右奥にヘッドフォンをした怪しい録音家が居ります…(笑)。