阪神大震災直後の音環境 / '20.01.17

1996神戸震災調査のコピー2

今から25年前の1995年1月17日。ぼくは大学生で東京にいて、阪神大震災に直接遭遇することはありませんでした。ですが、1ヶ月後に神戸に行ったときは言葉を失いました。芦屋川一つ隔てた地理なのに、無残に様変わりした風景は今でも強く脳裏に焼き付いています。

神戸の知り合いの家を起点に、震災直後の音環境の調査を手伝いました。そこで感じたのは、ざわざわした空気感。見た目だけでなく、耳に入る音も日常とはかけ離れた喧騒感があり、震災の影響を身体全体で感じました。写真だけでは捉えられない生々しさがあります。

その後何度か神戸に出向きました。日々復興する様も音で感じました。人々の声や日常にあるふつうの音が再び聞こえることの素晴らしさを実感。人は音でネガティブにもなるし、ポジティブにもなる。日々ふつうであることは、最上の幸せであることを、改めてありがたく感じます。

写真は、1996年の夏に三ノ宮付近の商店街を録音している様子。