音(音楽)と香りの共通点 / '20.02.20

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寒さも緩んで、ちょっと春を感じる一日でした。

日中は学内で2つばかりの会議に出席。来年度の準備がいまのうちから始まっています。大学は春休み期間ですが、この時期にせっせと春以降の学部運営を練り上げ、新学期に向けた調整が進んでいます。

最近同僚から学食に「裏メニュー」があることを教わりました。なんだか京都っぽいですね。メニューは声を大にしては言えないのだけれど、混んでいる時に頼むと、「こんなときに頼まんといて」とネガティブな返答が返ってきます、そこがなんだかツボでうれしい。

午後の会議を終えて、知り合いに連れて行ってもらったのが、「Golconda Perfume and Arabic」という香りの館。路地の奥まったところにあるこのお店は、店主の佐藤由香さんと娘さんが、モロッコに行って香材を買い付け、独自のブレンド手法によって、パフュームを作り上げています。

調合する前の単体の香りを数々聞香した後、自分の好みのパフュームを探します。辿り着いたのが「Desperate(デスペラータ=絶望)」。絶望を超越して別次元に誘うような魔力的な香り。初めて接する香りなのに、どこかで出会ったような、妖艶な雰囲気のする、不思議な香りです。

音(音楽)と香りは、かなりの共通点があります。目に見えない媒体であることはもちろん、各要素を混ぜるときも、トップノート(高音で短め)、ミドルノート(中音でやや長めの中心的存在)、ラストノート=ベースノート(低音で最後まで持続する刺激)を意識して、ブレンドを行うとのこと。この手法はまさに音楽の作曲そのものです。音色を新たに創り上げるのと同じ。

自分がふだん表現している感覚領域ばかりでは息がつまってきます。面白い発想も出てきません。そんなとき、五感の隣にあるある感覚に注意を向けると、人生の大きな飛躍点につながる。香りは飛躍であり秘薬でもある。そんな隠れ家的な感覚にさせてくれる、香りとの出会いでした。