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音ってすごいね。
-もう一つのサウンドスケープ-

音ってすごいね。 -もう一つのサウンドスケープ-

第1回目 
●編集者からの手紙(晃洋書房:井上芳郎氏)


このたび、小松正史著
『音ってすごいね。 ―もう一つのサウンドスケープ―』を
上梓しましたので、担当編集者として、ご挨拶もうしあげます。

音風景、音景などと訳されるサウンドスケープは
1980年代音楽家の高橋悠治氏が初めて日本に紹介し、
さまざまな分野に影響を与えてきました。
中でも1992年に刊行された中川真(なかがわ しん)著
『平安京 音の宇宙』(平凡社)はサントリー学芸賞、
京都音楽賞を受賞するなど高度なサウンドスケープ論を展開。

同氏は1997年には
編著『小さな音風景へ サウンドスケープ7つの旅』を刊行。
同書の第2の旅「たゆたう音の波」を担当したのが
当時まだ二十代の小松正史氏。
出身地の京都府・伊根浦を中心にフィールドワークを行い、
農村・魚村のサウンドスケープの研究をまとめていました。
その独自の切り口と文体に惹かれるものを感じていて、
その後、小松氏の研究室を訪問したのが、2003年6月。

研究分野がひろがっていることを予測していましたが、
現在 京都精華大学人文学部専任講師として
サウンドスケープ論はもちろん、
環境心理学、五感環境学の研究に携わる一方、
砂浜、神社、酒蔵などでのピアノ即興演奏、
CD・映像音楽制作、
ワークショップやまちづくりの提案をてがけるなど、
こちらの思惑をおおきく飛び越える活躍ぶり。
その場で、単著執筆依頼となりました。

私が出会った、ある精神分裂病者が
「ぼくが狂ったのはピアノのせいです」
と言ったことがあります。
音は人を救いもするし、破滅にも追いやる。
氏は「生きるためのエネルギーを獲得する。
その力が音の正体であり、人生の道標なのだ」と
プロローグに書いています。

音のむこうがわから聴こえてくるもの、
見えてくるものを、聴いて見てください。


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