「京都」という土地 / '17.10.19

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「京都」という土地に住んで、「ものをつくる」という行為は、いったい何なのか、と最近考える。

というのも、東京と京都を行き来して、創作活動している知り合いもいるし、ずっと京都に居座って、ものづくりを続ける人もいる。ぼくは、20年ほど京都市内に居続けて、曲づくりや研究、本の執筆などをマイペースで行っている。

東京(あるいは別の場所)と京都を行き来している人は、きっと何らかのバランスを取るために、往復運動をしているのだと思う。京都に居続けることは、人によっては、京都ならでは磁場(つまり、無意識に入り込んでくる古からの吸引力)に気持ちが絡め取られて、創作しづらくなるのかも知れない。

京都に住んでいれば、当たり前に感じる比叡山も鴨川も御所も、歴史を紐解いて見れば、恐ろしいばかりの重層性をもっている。一見現代の風景として感じてはいるけれども、過去からの重力を無意識にのうちに植え付けているようでもある。

結局のところ、そうした感覚が創作活動に悪影響を与えると思う人は、ときどき京都を離れることが必要なのだろう。ぼくはそういうことはあまり感じない方なので、平気でこの場所に住み続け、創作活動をしている。

人の感じ方って、とても面白いものだ。