「都市の声をデザインする」シンポに登壇 / '17.11.12

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近大・文芸学部文化デザイン学科主催「都市の声をデザインする」というシンポジウムに出席するため、27年ぶりに東大阪市のキャンパスへ(大学受験で近大農学部の入試以来w)。当時のバンカラな雰囲気はまるっきりなくて、オシャレで清潔感あふれる空間に変わっていて、とても驚いた。

昨年新設された「文化デザイン学科」は、社会に向けた/拓かれた「デザイン」を目指すコンセプトで昨年から開設されたとのこと。「感性学」「デザイン」「プロデュース」を《文系》の立ち位置から社会包摂させるアプローチは、自分の音活動とかなり近いものがあるように感じた。

ゲストスピーカーのボー・リンマネン氏は「都市書体」を専門とするのだが、書体一つで都市の景観や顔がガラリと変わる事例を拝見すると、まるで「魔法」がかけられたような吸引力に見舞われた。都市や公共空間に使われる書体をオリジナルに構築し、主要な場所で使えば、その都市らしさが現れる。抽象的な空間のイメージをかき立てるデザイン手法なので、サウンドのアプローチとかなり似ている。

続いて小松のプレゼンは、サウンドスケープの概念・フィールド和0区の実例・音環境デザイン手法を1時間で紹介。短時間ながら、途中で環境音楽のピアノ演奏も実演したので、なかば自分の音活動の軌跡を走馬燈のように紹介できたではないかと思う。

ディスカッションでは東大阪市長の野田義和氏や学科の先生方が参加し、東大阪のまちづくりについて議論しあった。その中でも印象的だったのが、「時代を見越したデザイン」をどう形成させていくのか、ということである。普遍的な面持ちを見せつつも、都市イメージの「一歩先」のデザインをどう作り上げていくのか?答えはなかなか見いだせないけれど、一つ言えるのは現場の空気感を実際に数多く体験すること。つまり、インプットの総量やスループットをいかにじっくり醸成させるか。その先は自ずと解は見えてくると思う。

自分の音活動を存分に見直した充実の土曜日午後であった。学科の先生方、お越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。