「音育メニュー」の構築と検証 / '15.12.28

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今年最後の仕事が山場を迎えています。とある学術雑誌から文章の依頼が来て、これまで手がけてきた「音育メニュー」の構築と検証についての報告を書いています。それにしても5日間で2万字弱をゼロから書ききったのは前代未聞。博論でもこんなこと、ありませんんでした。今年は暮れに至るまでハードな仕事が目白押しで、妖怪みたいにフラフラしています。いつまで経っても若輩もののワタクシですが、人生をタフに生き抜く経験をさせてもらっています。

音の教育に関する文献は過去にいくつか出ているのですが、ここに来て素晴らしい著書が刊行されました。FB仲間の吉永早苗さんが2016年1月に上梓する『子どもの音感受の世界』(萌文書林)。一読してこれまでの関連書と大きく違う点がありました。それは理論分野の紹介だけでなく、吉永さん自身がこれまでの大学教育の中で実践してきた「音の教育」活動が、具体的に体系化されていること。

音楽中心として取り扱われてきたこの分野に、音・声・周辺環境を含めた音の教育の事例を紹介しています。音の教育が対象としている音環境の中に「人の声」「音楽」「モノの音」が同じ地平の中にうまく配置されていて、かつ具体的実践のプロセスが織り込まれているので、非常に説得力のある一冊と感じました。

それにしても、「まえがき」のところや索引にワタクシの名前が出てきて、思わず鼻血が出そうになりました(笑)。ワタクシの音活動が微力ながらお役に立てているのはありがたいばかりです。幼児教育や音楽教育に携わる方はもちろん、多くの方に読まれてほしい一冊となっています。