ことしの春は、宙に浮いた感覚 / '20.04.08

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ことしの春はいつになく、足下が宙に浮いたような感覚がします。家にいることが中心の生活ですが、先週は空気のすんだ朝の時間帯に、自転車に乗って哲学の道を散策してきました。

観光ラッシュの桜満開の時期なのに、朝ということもあって、人気はゼロに近い状態。こんな京都市内、見たことはありませんでした。桜だけが毎年の摂理で満開になっていて、人だけがいない風景は、不思議なものです。

空気がとまっているような、写真の一部に入り込んだような、そんな世界。川の流れを見ながら朝ごはんを食べ、市内中心部の自宅に戻ってきました。家の中はいつもの生活世界。ほんの1時間ほどの自転車さんぽだったのですが、まるで夢を見ているようでした。

とはいえ、生活空間に戻っても夢のような感じです。リアルな場所で濃厚に言葉を交わすのは家族だけ。あとは、物理的に距離が遠くなったお店の店員さんや、まばらに街を歩く人たちの空気感。同僚とは、間接的にディスプレイを見ながらのやり取りです。

ああ、これまでまわりの人と、いかに濃厚に関わっていたのだという、あたりまえの状態を、あらためて感じる機会になりました。コロナ騒動の前後では、人間の心理的な感覚世界も、大きく変貌してしまうのだろうと思うこの頃…。