たった一つの些細なフィールドワークから。 / '19.10.22

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えっ!? 「騒音計」と「スクールバス看板」のカップリング風景。まずありえない組み合わせだろう。この希有な出逢いに心がゾクゾクしないわけはない。音フェチだから。

ゼミ生の提案で、「スクールバス内の音量」を測ることになった。予想としては、授業後に大学から駅へ向かう車内は、リラックスした学生たちの声でにぎわい、音量が上がるのではないか。さらに、駅から大学に向かう車内は、知り合いと滅多に出会わないから、会話もなく静かではないか、と。

結果は逆だった。放課後のにぎわい車内の音量よりも、大学に向かう静かな車内の方が大きかった。意外な結果である。要因としては、人の声はエンジン音よりも小さいが、人の聴感の敏感なところに音が入るので大きく聞こえること。そして、大学に向かう道路に勾配があり、アクセルを踏む機会が多くなるのでエンジン音がアップすること、だろう。

仮説を検証して、結果と考察を導き出すこと。たった一つの些細なフィールドワークであっても、自分がゲットした一次情報を元に議論することは、どんな書物よりも実感を込めて納得した結論を導き出せるのだ。その快感を知れば、野外調査の虜になるだろう。

小松ゼミに所属する学生も、とびきり外に向けたアンテナがいい。その実習現場に立ち会うことは、自分の感度を高めることにもつながる。ありがたや。

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こうした音教育の〝発見〟も、いつか一冊の本にまとめたいと思っている。これぞ!と思う編集者の方がおられましたら、お気軽にお声掛け下さい。