とっておきの映画音楽活用術 / '13.12.08

映画音楽を分析していると、
フェードイン/アウトで曲が挿入されるものと、
カットイン/アウトで曲が使われるものとがある。

フェードイン/アウトとは、
曲の音量がだんだん大きく/小さくなるもの。
カットイン/アウトとは、
突然曲が流れだし、曲が切れてしまうもの。

中でも、フェードイン/アウトが圧倒的に多い。
自然な場面展開に用いることがほとんどで、
予定調和的な安心感のある印象を画面に与える。

面白いのは「カットイン/アウト」で、
映画の中で音楽が使われる場面だ。
不意に曲が始まったり、曲の途中で終わるので、
ストーリーに意外性を与える。

登場人物の心情変化を描写するのは、
フェードイン/アウトよりも、
カットイン/アウトの方が効果的だ。
起伏に富んだ情感が曲の使い方一つで大きく現れる。

一般の音楽作品でよく使われるのは、
フェードイン/アウトなのだけれど、
ときに、常識を越えた音の処理をしても、
すごく印象深い作品になると思う。

曲の使い方を少し変えるだけでも、
表現力は劇的に変化する。
そんな音の使い方を意識して、
作品をつくってみるのも面白いですね。