アクションリサーチ / '16.04.09

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ここ2週間、論文作成に没頭していました。

昨年、丹後郷土資料館に導入した環境音楽についての内容となっています。環境音楽の制作過程や来館者に記入してもらったアンケートを元に、商業的に蔓延る音環境デザインの構造疲労の問題点を指摘することができました。

私は正直、音楽家の中でも作曲レベルはそれほど高くなく(むしろ理論には詳しくない状況)、研究者としても決して精度の高い調査実績を多くもっているわけではありません。これは完全なる欠点。

ただ、自分が他の人とは違う何かがあるかもしれないと模索をし続けていて、一つ到達した着地点が「アクションリサーチ」という手法なのです。つまり、自分で音楽をつくり、それを現場で実際に流し、その反応を現場で確かめてみる、というものです。研究者であるとともに実践者でもあるという、一人で両方の立場を取る姿勢。

ここのところ、医療現場や教育現場ではアクションリサーチの手法は散見されるのですが、音環境デザインの分野では見たことがありません。

これは自分にしかできない分野と感じ、二領域を補う形をとって、ニッチな領域を郷土資料館で実践することができました。(以前にも京都タワーで類似のプロジェクトを成功させたことがあります)

この分野が少しでも実践的になるように、これからもこの手法でさまざまな公共空間を対象に、音活動を続けていきたいと思っています。論文の公表は今秋の予定になりそうです。