イコライザーの極意。 / '14.10.18

20141018新作CDアルバムのマスタリングに用いたプラグイン、第二弾。WAVES社のQ10というイコライザー。音の周波数成分を自在に変化させられるソフトで、世界中に出回っている音響作品のほぼ100%のものが、この類いのフィルターを通してつくられます。
右にいけば高音域、左にいけば低音域の調整ができるのですが、この操作が針に糸を通すくらいの細やかさを要します。テキトーに操るのではなく、レベルを上げた狭いフィルターをゆっくりと動かして、音の「灰汁(あく)」のようなものを探し出し、その領域のフィルターをいくつかマイナスします。そのあとで、出すべき基本周波数とその倍音成分の「オイシイ」部分をちょこっとだけ上げる、というもの。
文章で書くと実感が湧きませんが、この作業が一番体力を消費します。音処理の最初でもやるし、最後の出口付近でもふたたび行うことが多いです。視覚の処理でいえば、色相・明度・彩度のバランスを操る作業と似ていますね。この操作に慣れるのが、マスタリングを制する第一歩でしょう!