世界はパラレルワールド / '20.10.01

月日の経つのは早いもので、大学に就職が決まって京都市に移り住んで、もうじき20年になります。ずっと同じ場所に住んでいるのだけれど、最近木造家屋や古いビルの取り壊しが重なっていて、日中はかなり大きな工事音がします。
建物を建てるときの音は、うるさいときもあるけれど、期待や希望が湧くような音が響きます。一方、建物を取り壊すときの音は、独特のはかなさがあります。
特に木造建築が潰れる音は、自然素材である木材が悲鳴を出しているようなせつない音です。作業時間は短いけれど、バリバリという響きを聞くと、もう二度と同じカタチの木造建築は建たないんだな、という諦観を感じます。
自宅の真裏ではビルの取り壊しが進んでいて、不況になって潰れた会社の残骸をようやく片付けるといったところ。民家に隣接しているので、かなり慎重に(でも時に凄まじい音で)コンクリートが壊れる音は、人工物を壊すことの大変さを知らせてくれます。
そんな風景から空に目をやると、虹がかかっているではありませんか!人の営みの変化は激しいけれど、自然は悠久の時間で、違う次元の世界を織り成しているんだな、と感じました。
世界はまさにパラレルワールドの集積。常に自分の軸をしっかりしなくちゃ、って思います。
DSC04449