伊根の舟屋 / '14.08.25

20140825ぼくの音風景研究の原点、京都府与謝郡伊根町舟屋集落群。いまではすっかり有名な伊根の舟屋ですが、音のフィールドワーク調査を始めた1993年は、この地を舞台にしたNHK連続テレビ小説「ええにょぼ」が放映された影響からか、だんだんと観光客が増えてくる時期でした。
舟屋集落を見ると視覚的景観のインパクトが強いですが、少しでも集落内を歩いていると、すり鉢状になった地形に反響する人の声や船の音、そして舟屋家屋内に入り込む独特の軽やかな音色をした波音のアンビエンスに心惹かれます。その心動を大切にしながら本を読んでいると、「サウンドスケープ(音風景)」という言葉に巡り合ったのでした。

この身体感覚はぼくだけでなく、多くの人の聴覚意識にも深く影響を及ぼし、安らぎや落ち着き感じることでしょう。季節を変えて何度でも耳を休めに行きたくなる、とっておきの場所。実家に帰省すると、いつも伊根のことが気になります。写真はこの前のお盆のときに出かけたときの、伊根浦風景。