作為のない音 / '19.01.31

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ぽたっ、ぽたっ。

互いの会話の途中で、
話の間合いを埋めるかのように、
背景で、なにやら心地よい音がする。

背後に意識を向けると、
そこにはレトロな珈琲メーカーがあった。
背景の風景に溶け込みすぎていて、
まるで1つの芸術造形物のような存在だった。
その音は、フィルターを通った珈琲が落ちる音。

あまりにも作為のない音すぎて、
それがかえって、耳に心地よい音だったのだ。
まるで、水琴窟のような、まるくてソフトな音だった。

いまの世の中は、その逆をゆく音が多すぎる。
見て、見て、私を見て、私の表現いいでしょ!
目立って、目立って、これでもか、といった音の洪水。

直感的に思うのだけれど、
そんな音に、現代人の耳は疲弊しきっているのではいか。
僕の耳も含め、もっとニュートラルで、
作為のない音を求めている。

だからこそ、背景に溶け込みすぎて、
自然に響く作為からはほど遠い自然の摂理の音に、
自分の耳は、強く惹き込まれてしまった。

いやぁ、この喫茶店、あまりにも自然すぎて、
もう最高でしたよ。
会話も弾む、弾む、どんどん弾む!

えっ、どこのお店って!?
京都岩倉、赤本で有名な某出版会社の、
真向かいにあるお店なのです。