本日の小松ゼミ / '19.11.05

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本日の小松ゼミでは、実際の音と、録音した音とで、人の印象はどう変わるのか。その違いをSD法を使って、簡易的に調べる実験をしました。

静かな講義室の音を聞いて、現場で印象評定実験を実施。その後、録音された現場の音を、タイムドメインのスピーカで再生し、同じ尺度を使って印象評定をしました。

結果は、現場で聞いた音の方がリアルに、ポジティブに感じられました。録音された音は、現場の音よりもネガティブな印象に。具体的には、「快適なー不快な」といった評価因子の尺度が、ネガティブ(快適→不快)の方向に移動。

生の音の印象が「よい」というのは、言うまでもないことですが、その要因が、音質というよりもむしろ、「好き嫌い」によるものであることが、わかる結果となりました。

人は、音を細かく精査しているというよりも、むしろ、主観的な好みによって音の印象を形成づけている。当たり前のことかもしれませんが、先験的な、つまり、録音された音はリアルな音よりもよくない、という既製概念を拭うことができないのです。

客観的に音を聞くことは、やはり非常に難しいものですね。