森宮朱美さんのソプラノリサイタル、10回目の節目となる記念すべき会が終わりました。東京・すみだトリフォニーホールでの開催。夕方、友人たちと一緒に現場に到着しました。
今回、リンボウ（林望）先生の詩を元にした5つの歌曲の作曲を委嘱され、ドキドキしながら客席で、森宮さんの演奏を見守っておりました。
じぶんの頭の中だけにあった妄想のような音の響き。それが、現実の広い空間の中で、リアルに立体感を持って、じぶんの身体はもちろん、観客全員の皮膚や耳を振動させ、生身の音がひしひしと身体に溶け込んでいく瞬間は、人生の中の走馬燈のようでした。
今回ぼくの曲を編曲された柳井和泉さんのピアノ伴奏を聞くと、じぶんでは決して到達できないテクニックと奥行きを深く感じることができました。そんな完成度の高い演奏表現を目の当たりにすると、じぶんが演奏しなくても、他の方に演奏を委ねた方がよい場合もあることを実感しました。いっそ、自分の曲の演奏を他人に委ねたい。
じぶんがこの世にいなくなった後も、音への想いを楽譜・言葉・録音物に記録しておけば、誰かの手によって、じぶんの響きが（じぶんよりも明瞭に）再現できるのではないか、と強く思いました。
まるで、死後の世界から、この世を見つめているような鑑賞感覚。こんなことは、正直初めてのことです。きっとじぶんの音楽人生の中でも、決して忘れ得ぬ一場面となりました。
森宮さんをはじめ、この会を運営された皆さま、当日一緒にこの音世界をシェアさせていただいた皆さま、一作曲者として、深く感謝申し上げます。
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林望「夕暮れ巴水」の詩による歌曲集
作曲：小松正史 編曲：柳井泉
歌：森宮朱美
みづおとと月
時間
良日頌
UNE SORIEE EROTIQUE
夢の雨
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