波音はなぜ飽きないのか? / '14.03.19

20140319寄せては返す、波の音。繰り返しの音のようでいて、同じ波音は二度と現れない。これが長時間聴いても飽きない、心地よい理由だろう。でもその波音を録音して、音楽の背景に効果音のようにベタっと使っても飽きたり、疲れたりする。では、どうすれば波の心地よさが感じられる音の作品ができるのか?

種明かしはしたくないけど、4月8日にリリースするアンビエントピアノ作品『キョウトアンビエンス 2』には、聴覚心理のカラクリを入れている。一言で言えば、「ほんのちょっとだけ」「断片的」に、波音(水音)を要所に入れるわけだ。これは聴いてもらわないと伝わりづらい…。

いわゆる「窓枠効果」をふんだんに使っているのが、このアルバムなのである。波音や水音をたんなる効果音として使うだけでは、本物の心地よさには近づけない。聴覚心理学の理論を実践してみると、結構効果的だったりする。

写真は「キョウトアンビエンス 2」のCD盤面で使用する日本海の浜辺風景。竹下さよりさんが撮影した作品で、遠近感が効果的に感じられる絵画的な構図が印象的。新作をお楽しみにお待ちください。