京都タワー展望室のための新音源「キョウトアンビエンス 4」は、何が新しいのでしょうか。
10分もある即興演奏を4曲も入れたのが、思い切ったところ。
環境音楽の極意は「無意識」の心理状態に響くか、です。
楽譜を使って作曲するのでは、意識的に聞かれてしまう曲ができてしまいます。それでは、環境音楽にはなりません。
先入観を入れず、音の響きを味わい、楽しむように表現することが肝要です。
即興演奏だからこそ、実現できる音の世界です。
体力と精神力を要する表現方法ですが、成功すれば背景に流れるのにピッタリな音源ができるのです。
観客がいないレコーディングは、自分のペースが保たれます。気兼ねなく自分の心の奥深い井戸の水を汲むこともできます。
今回のCDアルバムは、偶然降って湧いてきた即興をどっぷりと収録できました。作曲というよりも、演奏中心の空気感が漂っています。
これまでの音源よりも、空間の背景に溶け込むことを感じていただけることでしょう。