鍵盤を見ないでピアノ演奏することの効用 / '18.12.21

ピアノを演奏するとき、鍵盤を見過ぎない方がよいと、よく言われる。ぼくもできるだけ鍵盤を見ずに弾く事を心がけているが、気を許すといつも鍵盤を追いかけてしまう。そんなときはいつも耳が疎かになり、よい響きが生まれない。

おまけに鍵盤を見続けて演奏するときは、頸椎が前に傾くことが多い。そうなると頸椎に頭部の加重がかかり、長時間の演奏に耐えきれなくなる。

鍵盤をできるだけ見ないで演奏することに慣れてくると、今度は目を閉じて演奏をしてみるといい。すると、注意が音そのものに向けられて、目を開けているときよりも、より映像的で空間を感じやすい表現になっていく。

瞑想とまでは行かないまでも、自分の出した音を、距離を置いて聴けるようになれば、「メタ認知」モードの演奏に近づいていく。すると、演奏そのものから自由になり、自分のイマジネーションがうまく反映される響きが生み出せるようになるだろう。