音楽活動を続けることについて / '19.03.08

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一つのことを長期に渡って続けていくことは、簡単なようで難しい。惰性や習慣でできないことはないけれど、そのままやっていくとせいぜい現状維持か、ダラダラ続けていくと、能力低下は避けられない。

ぼくが音楽をはじめたのは小学校2年生の春だった。自宅で音楽の教科書のウラにある鍵盤の写真を見ながら指を動かしていた様子を母が見て、音楽のお稽古をやってみたら、という流れになった。

ぼく自身は、音楽を積極的にやるつもりはなくて、とりあえず音楽教室を覗いてみるという程度の心持ちだった。母の知り合いがちょうど新規に教室を開くというので、そこに出かけてみた。

教室にはピアノと電子オルガン(テクニトーン)があって、好きな方を選んだらよいと言われたので、マシンが好きなぼくは電子オルガンを選んだ。それがきっかけで、結果的に12年、間電子オルガンを習い続けた。その後大学に入ったときにピアノに転向し、30年程度ピアノを続けてきて、今に至る。

人前で演奏するようになったのが、今から18年前で、ちょうどその頃に作曲もするようになった。気がつけば18ものCDアルバムをリリースし、演奏依頼も定期的に来て、今に至っている。本人としてはこれまで長く音楽活動を続けられたのは意外なことだった。

とはいえ、人前で演奏し、定期的にCDアルバムを出すようになり、趣味のレベルを超えるようになってきた。もちろん定期的にピアノ練習はしているし、演奏前となれば相応の仕込みもしてはいる。ただ、その活動は同じことをしている限り、現状維持の感はぬぐえない。

そこで大切なのは負荷をかけること。人によって負荷のかけ方は違うけれど、ぼくが好んで行っているのは、録音すること。それも単なる録音ではなく、作品制作を前提としたレコーディング。かなりハードルの高いミッションを自分に課すことで、惰性を突破するきっかけになることを想定した。

その結果はいかに!? とりあえず30曲の録音が無事敢行し、今は曲順を考えつつ、マスタリング作業へと取りかかっている。すべからく完璧!という録音は困難だったが、アルバムに収録できるレベルの曲には仕上がったので、現状ホッとしている。

アウトプットを想定しての表現鍛錬は、音楽だけでなくどの分野でも共通した方法だろう。