CD制作で最も大切な作業とは? / '15.01.05

20150105ぼくは、「前意識」の知覚に意識した音づくりを心がけます。つまり、意識されやすい音楽的な要素(リズム・メロディ・ハーモニー)だけでなく、その背景で鳴り響く音への配慮が必要不可欠。その作業で大いに役立つのがwaves社の「TrueVerb」というプラグインです。坂本龍一氏のエンジニアも氏のライブ配信で多用していた魔法のプラグイン。
音源から聴き手までの距離はもちろん、その音源が鳴り響く空間の広さや残響時間、周波数帯域ごとの処理、さらに音源が鳴る前の響き具合まで、緻密にコントロールできます。同じピアノ音源から、楽器にアタマを突っ込んだ状態と、山の中腹で下界で聴いているときの状態を作り出すことができます。
いくら音楽的な要素がよくても、背景音の処理がダメだと作品のクオリティは保証できません。たいていこの処理はマスタリングエンジニアが手がけるけれど、ぼくはこの処理に作品の重点を置いているので、人任せにはゆきません。
今回のCD「スターアンビエンス」は、宇宙にまたたく天体をイメージしています。なので、この処理が実は「キモ」なのです。宇宙は真空状態なので可聴音の存在はありませんが、アタマの中で鳴り響く星の世界をうまく表現できたのではないかと思っています。
発売は1月14日。小松の誕生日にこのCDも生まれます。お楽しみに!